Go言語でシグナルを取り扱いたい場合、os
パッケージおよびos/signal
パッケージ、syscall
パッケージを使用します。
具体的には、以下のようにします。
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実際には、(1)の様に受け取ったシグナルを出力するだけではなく、何らかの処理を行うことになるでしょうし、goroutineのリークを避けるためにシグナルの待受をキャンセルする必要が有りますから、context
を使用してfor-selectループを書くことにもなるでしょう。
例として、HTTPサーバをシャットダウンするような処理を考えます。
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シグナルを受け取って、関数の呼び出し(ここではs.Shutdown()
)をしたいだけなのに、チャンネルを作って、goroutineを立ち上げて、となんとも大仰です。
goroutineで呼び出す関数の中でfor-selectループを使っているため、行数も長くなってしまっています。
できれば、これらの処理を、もっと気軽に取り扱いたいですよね。
そこで、syg
というパッケージを作成しました。
github.com/nasa9084/syg
syg
パッケージに用意されているのは関数二つだけです。
Listen
とListenContext
だけです。
察しの良い方はお気づきかもしれませんが、Listen
は内部でcontext.Background
を使ってListenContext
を呼び出します。
database/sql
パッケージの*DB.Query
と*DB.QueryContext
などの関係と同じです。
つまり、処理的には実質一つの関数のみしかありません。
これらの関数はコールバック関数とシグナル(可変長)をとり、CancelFunc
を返します。
名前の通り、シグナルをListenして、シグナルを受け取ったら所定のコールバック関数を呼ぶ、というものです。
CancelFunc
はgoroutineを停止するキャンセル用の関数のため、defer
で呼び出すことでgoroutineのリークも防げます。
先程のHTTPサーバのシャットダウンの例を、syg
を使用して書き換えてみます。
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goroutineの立ち上げや、シグナルを受け渡すチャンネルの処理、for-selectループなくなり、スッキリしました。
syg
は数十行程度の小さなパッケージですが、是非使ってみてください!
バグや改善点が有りましたら、issue、PRもお待ちしています!