MetalLBを使用してオンプレでもtype: LoadBalancerを使用する
TL;DR MetalLBを使用することでオンプレ(not on OpenStack)に構築したk8sでもtype: LoadBalancerを使用できる type: LoadBalancer kubespray 等を使用して、Kubernetes をオンプレ(on OpenStackを除く)で構築した場合、通常、type: LoadBalancer を使用することができません。これは、type: LoadBalancerは通常CloudProviderにより管理されており、オンプレ(on OpenStackを除く)でk8sを構築した場合にはCloudProvider連携が無いためです。 しかし、k8sを使用するからにはtype: LoadBalancerも使用したいですよね?NodePortなどで代用するにも、ポートがバラバラになってしまって面倒です。 そこで使用できるのがMetalLB (GitHub: google/metallb )です。 MetalLBを使用すると、type LoadBalancerの作成をフックしてアドレス割り当てとアドレスの広報を行ってくれます。 Layer 2 mode MetalLBにはLayer 2 mode(以下L2 mode)とBGP modeがあります。これらのモードはアドレス広報の仕方が違い、L2 modeではARP/NDPで、BGP modeではその名の通りBGPでアドレスの広報を行います。通常、自宅を含むオンプレ環境ではBGPを使用していないと思いますので、L2 modeについて解説します。 L2 modeでは、特定のノードへアクセスを集中させ、kube-proxyによって各サービスへトラフィックを分配します。そのため、実態としてはロードバランサーが実装されている訳ではないことに注意が必要です。単体ノードにアクセスが集中するため、これがボトルネックとなり得ますし、アクセスが集中することになるノードが何らかの理由でアクセスできなくなった場合、フェイルオーバーに10秒程度かかる可能性があります。 requirements & installation 導入は非常に簡単ですが、以下の要件を満たしている必要があります。 他にネットワークロードバランシングの機能が無いKubernetes 1.9.0以降 MetalLB対応表 に記載のあるネットワークで設定されていること これに加え、MetalLBで使用することのできるIPv4アドレスを用意しておく必要があります。 私の環境ではk8sのノードが192.168.1.0/24にあるため、192.168.1.100から192.168.1.159までの60個のアドレスをMetalLB用としました。 要件を満たしていることが確認できたら、MetalLBのインストールを行います。 MetalLBをインストールするには、次のコマンドを実行します。 1 $ kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/google/metallb/v0.7.2/manifests/metallb.yaml Helm を使用してインストールすることもできますが、Chartが最新版ではないので注意しましょう。 次に、次のようなConfigMapを作成します。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: namespace: metallb-system name: config data: config: | address-pools: - name: default protocol: layer2 addresses: - 192.168.1.100-192.168.1.159 これでMetalLBのセットアップは完了です。パブリッククラウドで使用するように、type: LoadBalancerを作成するとアドレスプールからIPアドレスが割り当てられ、アクセスできるようになります。 アドレスプールは複数用意することができ、特定のアドレスプールからIPを割り当てたい場合はtype: LoadBalancerのアノテーションにmetallb.universe.tf/address-pool: <ADDRESS_POOL_NAME>を追加します。 ...